目次
はじめから出版を見据える
四川で食べられている本当の四川料理とはどんな料理があるのか?四川のどこで食べられるのか?どのレストランがおいしいのか?
そんな情報をまとめた本をいつか出版したい!と思い、Webサイト「おいしい四川」をオープンさせました。時系列に書くと、この四川料理プロジェクトは
- 2010年に「四川料理修行の巻」ブログを本格的にスタート
- 2012年6月~8月、第一回四川取材
- 2012年12月に「美味四川」中国語サイトをオープン
- 2013年2月に「おいしい四川」日本語版をオープン
- 2013年6月、日本での出版がきまる(福岡の書肆侃侃房出版社が快諾)
- 2013年7月~8月、第二回四川取材
- 2014年8月25日、「涙を流して口から火をふく、四川料理の旅」として、書肆侃侃房から出版
- 2014年11月16日 赤坂四川飯店にて出版パーティーを開催!
※本書は全国の書店、Amazonなどで購入が可能です。
という流れになります。予め出版するということを見据えていたためか、サイトオープンしてから、トントン拍子で話が進みました。
まったくコネもなく、ただ四川料理が好きで、昔、成都に留学して働いていた元システムエンジニアという私でも、本を出版し、読者に「思いと素晴らしさ」を伝えることができる。その気づきには単純に驚き、そして、大きな自信にもなりました。
自分には好きなものがある、これを多くの方に伝えたい
何かテーマを持っている方はぜひ、それを形にしてほしいと思い、どのように本を出版することができたのか、簡単に記録をしていこうと思います。すべてがすべて、出版のテーマに沿うかわかりませんが、何かの足しになれば、うれしいです。
準備するもの ブログ・サイトを作る
まずはブログを作りましょう。中川もはじめはアメブロで「四川料理修行の巻」というブログからスタートしました。
まずは章を作る
ブログを書く前にどんな情報を掲載するのか、分類しましょう。「おいしい四川」の場合、まずは情報を以下のように分けました。これが本の章となり、ブログ・サイトのナビゲーションになります。
- 基本情報
- グルメ
- リラックス
- 買い物
- 旅行
そして、次は分類を細分化させます。細分化した際、それが、目次となるレベルなれば、よりイメージしやすくなりますね。
ブログは提供されているテンプレートではなく、自分の世界観を表したデザインで
アメブロの場合、カスタマイズの本を購入し、ざっと読み、本の通りにいじれば、1週間ぐらいでそこそこのブログが出来上がります。
自分ではちょっと難しいという方は、アメブロカスタマイズをしているデザイナーさんに依頼するともっとクオリティーが高いサイトができます。
アメブロ得意な知り合いの千葉県成田市・TommyDesignさん
アメブロは広告もあるし、うーんプロっぽくない・・・という方にはGoogleのBloggerの無料テンプレートを使用するのもおすすめです。ただし、ドメインは独自ではありません。
やるからにはプロフェッショナルな最高品質なものを作りたいという方はWordPressを使いましょう。こちらは独自ドメインを取得し、レンタルサーバーを借り、サーバにWordPressをインストールして使うプロ仕様です。設定は面倒ですが、クオリティーが高いブログ、またはサイトが制作できます。
記事(原稿)を書く
自分のテーマに沿った使える情報のみ書きましょう。使える情報とは例えばグルメ本の場合、最低限、以下の情報は記録する必要があります。
- お店の外観写真、料理写真、店内写真
- 店名、住所(Googleマップ埋め込む)、電話番号、雰囲気
- 料理名、料理の値段、料理の感想、料理の背景など
そして、文章は難しく長くなく、シンプルにわかりやすく。参考にどうぞ。
アクセスをのばそう
記事を書いたら、皆に見てもらいましょう。ただ単に記事をアップロードしただけでは、誰も見に来てくれません。いろいろなユーザーに訪問してもらいましょう。
- 似たようなテーマのことを書いている方にコメントする(自分のブログ・サイトを公表し、コメントします。)
- 似たようなテーマのことを書いている方と相互リンクをする
- facebook、twitterで記事のURLをシェアする
- ブログサービスを使う(ブログランキング、レシピブログなどなど)
- Google、yahoo、bingなどからのオーガニック検索を意識する
Google Adwordのキーワードプランナーなどのツールを使い、自分のテーマのキーワードの月間検索ボリュームを調べて、そのキーワードの沿った記事を書き(タイトルにキーワードを入れる)、検索からの訪問者を増やすのはかなり効果的です。
準備するもの 出版企画書を作る
記事(原稿)がある程度たまってきたら、出版企画書を作りましょう。「おいしい四川」の出版企画書は「企画のたまご屋さん」サイトから構成を参考にし、作成しました。出版企画は「企画書」「目次案」「見本原稿」の三つに分かれています。
詳しくはこちらからhttp://tamagoyasan.net/author/explain
- ■企画書
- タイトル
- サブタイトル
- キャッチコピー(帯文)
- 本書の内容
- 著者名
- 著者プロフィール
- 企画意図
- 企画の背景
- 読者ターゲット
- 類書
- 類書との差別化
- 体裁など
- 原稿完成の予定
- 企画者の要望
- この本を制作するために有利な条件
- ■目次案 章構成
- ■見本原稿
出版する方法
本を出版する場合、「自費出版」と「企画出版」があります。自費出版の場合、自分で本を作る費用を負担し、販売も自分が責任を持って行うというリスクがあります。対して、企画出版は出版社で企画が通れば、出版の費用は出版社が負担し、作者は印税として報酬を受け取ります。
「おいしい四川」の出版は企画出版の方です。まずは企画出版を目指す。それでもダメな場合は自費出版を考える、とすればよいかなと思います。
出版したい出版社をリストアップ!連絡をする
本の企画・原稿を募集している出版社まとめ 【商業出版】
http://matome.naver.jp/odai/2137830030636725501
まずは出版社を洗い出しましょう。
- テーマが類似している本を出版している出版社
- 自分が好きな本を出版している出版社
- 気になる出版社
- ちょっと小さい地方出版社
次にGoogle、yahooなどの検索を使い、Webサイトを見ていきます。Webサイト上に、ほとんどの出版社は「持ち込み企画」というページはありません。
「お問合せ」ページのURL、またはメールアドレスをコピーし、Excelなどのソフトで出版社一覧を作成します。メールアドレスは具体的に「持ち込み企画について」用のメールでなくてもかまいません。きっと、編集部の方に転送してくれはずです。(問合せ担当の方にもよると思いますが。。)
ちなみに「おいしい四川」の際には約25社の出版社一覧を作りました。
リストアップ後、連絡をする
問合せフォームがある場合はそちらから、メールアドレスのみの場合は自分のメールアドレスから一つ一つメールを出しましょう。あまり長すぎず、シンプルな内容がよいかなと思います。メールの最後には署名も忘れずに。
メールサンプル:
初めまして、xxxと申します。
御社のサイトを拝見しましたが、出版企画について何も記載がなかったため、問合せをさせてください。
私はxxxx専門サイト「xxxxxx」を運営しています。
http://xxxxxxxxxxxxxxx
xxxxについて、世界で一番整理されているサイトだと自負しています。
このサイトをベースにxxxxxをテーマとしたxxxxxの出版企画を提出したいのですが、御社では現在、出版企画募集は行っていますでしょうか?
もし可能であれば、出版企画書を送付しますので、ご返信をお願いいたします。
以上、よろしくお願いいたします。
…………………………………………………………………………………
– 日本太郎 (NIHON TAROU)
– Mobile:1234567890
– facebook :https://www.facebook.com/XXXXXXXXXXXXXX
– Mail :XXXXXXXXXXXXXXX@mail.com
– Blog:http://XXXXXXXXXXXXXXXXX
…………………………………………………………………………………
連絡後、どれくらい返信がくるのか?
「おいしい四川」の場合は25社に問合せをして、返信がきたのは5通程度。そして、出版企画書を送付してほしいと言われたのは2社しかありませんでした。
連絡もまちまちで、問合せをして、翌日に来た出版社もあれば、1ヶ月後、3ヶ月後に返信が来たこともあります。一旦、自分の手を離れたら、あとは静観してじっと耐えましょう。
出版サポートに依頼を行う
自分一人で出版企画を通すのは難しく、時間もかかります。そんな時は出版サポートのサービスを使いましょう。以下、ご参考にどうぞ。
企画のたまご屋さん http://tamagoyasan.net/
出版プロデュースならケイズパートナーズ http://shuppanproduce.jp/
本を作るのは、時間がかかる!
2013年6月に出版が決まり、本を出版したのは2014年8月でした。まずはWebサイトに原文をワードにコピーし、定まったフォーマットを作る。次に文字数の制限、構成など調整などを毎日コツコツと行い、編集担当へ連絡。そして、デザイナーさんに組んでもらい、修正する、この作業を繰り返し行った結果、約1年の期間がかかりました。
すでに本のイメージがあり、こだわった内容にしたかったので、レイアウト・デザインの修正など細かく指定しました。デザイナーさんにはうるさいな・・と思われたことも多々あったと思いますが、時間をかけて作ったおかげで納得いく品質のものができました。感謝しています!
本が一つ一つ形になっていく。その過程は面倒な部分もありますが、やはり楽しさの方が上回ります。きっといい思い出になるはずです。
出版後にすること
出版社が主導で行うこともありますが、作者がすること・できることもいくつかあります。
- 各マスコミ用にプレスリリースを作る
- 各関係者向けに献本リストを作る
- 出版パーティーをする
- Webサイト、ブログにキャンペーンページを作る
- Webサイト、ブログにAmazonのリンクをはる
- facebook、twitterなどで出版連絡をする
Amazonに掲載されたら、「商品の説明」「本のイメージ」を整備しましょう。特に画像はできるだけ多く用意した方がわかりやすくなるので、おすすめです。
最後に
自分には好きなものがある、これを多くの方に伝えたい
何か大きなテーマがある、自叙伝を伝えたい、ノウハウを伝えたい、など人間生きていれば、必ず一つや二つ本にできるテーマがあると思います。
今はコネ、知名度なくても一つ一つ自分のメディアを作り上げていけば、本を出版できる、そして、自分の好きな事を仕事にするということは必ず実現できると思います。
私もまだ道の途中ですが、中国語の出版や英語の出版、DreamweaverのHOW TO本の出版など、これからもいろいろなものを世に出していければと思います。
先日「四川料理の旅」を購入した方から、成都へ旅し、いろいろな仲間と出合い、最高の旅ができました!とコメントをいただきました。
作ってよかったな!と思える瞬間は幾度となく訪れます。
みなさんもぜひ、すきを形にしてみてください!